ブルースを語りたい -1-


コーナーのタイトルが替わりました。
『ブルースを語りたい』です。
ぼくはブルースに定義はないと思っています。
というか、ブルースは各個人の心の内(なか)にそっと沁みていると想います。

ぼくはよくライブのMCでも取り上げますが、日本の代表的なブルースソングは太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」だと思います。
集団就職(たぶん)で彼氏が都会へ行ってしまいます。半年経っても帰ってこないです。指輪を送ると言います。スーツ姿の写真を送ると言います。でも主人公の彼女は彼氏の体調を気遣います。最後になんとこの彼氏は「ごめん、都会が楽し過ぎて、君の元にはもう帰れない」と言い出します。うわああああ。

でも彼女は言うのです。「じゃあ、最後のお願いに涙拭く木綿のハンカチを贈って欲しい」と・・・。これがブルースじゃなくて何がブルースよ!と、ぼくは思います。
しかも綿100%と言えばCOTTON100%と言うことで、ブルースマン達が最初に「ボス」にやらされた、というか、働かされた、というか、仕事にありついた(かな)綿摘みに起因してませんか?

そしてまたさらに一因です。ブルースに欠かせない乗り物は汽車です。都会へ行っちまったなんて、絶対汽車で向かったはずです。しかも夜汽車で! 

 ちなみにこの太田裕美さんの全盛期にバックバンドでベースを弾いていた伊藤さんはなんと菰野「トムソーヤ」のマスターです。ぼくもお世話になってます。
とても良い方で、我師匠極東一のハーピスト、ウィーピングハープ妹尾さんの大学の後輩です。
あと、なんとこの曲で印象的なギターが軽やかに、そしてまた列車風に奏でられておりますが、このギターは世界の誇るソウルギタリスト、デヴィッド・T・ウオーカー氏のこれまた何と日本初仕事だそうです!これはたぶん知られていません。

明日から職場や学校で自慢してくださいね!じゃまた!(おわり)

by TOBY




※原稿の書かれた日付が不明なので、2009.12.31 の欄に掲載