ゲイトマウス・ブラウン ライブレポ

『帰ってきたゲイトマウス、79歳、脅威の宇宙人再来!』。ゲイトが得三に帰って来た。前回の絶好調ライブから4年振り、当時75歳、遠い日本はもう無理かと諦めかけていた矢先だ。以前にも勝る激シブ、上機嫌である。1曲バンドがインストをやってから本人出てきて1本勝負で圧勝。なかなか聴けないまさにゲイト節全開の『チキンシフト』、彼の大好きなデュークの『ドントゲットアラウンドマッチエニモア』、最前列の僕のリクエストに答えてくれて驚異的な乗り『Aトレイン』、一番のお気に入り『アンチェインド・メロディ』のルバート後の指板叩きはほんとに人間国宝!アンコールは「3beat!」と紹介して始めたとどめの『オーキードーキーストンプ』などあっという間の90分だった。その右手の動きは全く職人技で、異様ともいえる程のリズムの切れ味(伸ばした人差し指でのピッキングは彼以外不可能だ)左手はカポ使用のため人さし指は一切使わず、親指を含め残りの4本を駆使する。得意のフィドルはさらに気持ち良く歌いまくる。バンドのお馴染み『ゲイツ・エキスプレス』は10年以上ゲイトを支える彼の体の一部だ。以前僕はアイシーゲイトというバンドをやっていたが、ゲイト好きな僕にやはり彼を大好きな吾妻光良氏が名付けてくれたものだった。4年越しの再会が叶った今、更なる願いは彼の健康である。そしてまた来てね〜ゲイトマウス!(前田もとひろ)

TOKUZO ライブレビュー 2004年2月号 掲載)